地方大学病院で働いているあらたです。
手術経験数は100例以上。
全国でもTOP10に気胸の手術が多い病院での経験を生かして解説していきます。
気胸といわれた時、手術や入院と言われたらびっくりですよね。
15〜25才の男性に多いと言われる気胸。
なぜうちの子が?!
と思われる方も多いですよね。
とくに痩せ型の男性におおいです。
しっかりとしたデータはないですが、痩せていて高身長の人は肋骨の裏にも脂肪が少なく、肋骨の角度もとがっていてそれが肺と擦れることで穴があきやすくなるという報告もあります。
ではこれから頑張ってたくさん食べて太れば再発しにくいの?!
と思われるご家族の方も多いとおもいます。
残念ながらそのようなデータはなくおすすめしてません。
おすすめしてない理由には2つあります。
- すでに数十年の過程ですでに肺が穴があきやすい状態になっていることが多いこと
- 痩せ型高身長の体型の方はどんなに食べても太れない体質の方が多い
どうにかして再発させたくないというご家族のお気持ちもよくわかりますが、この2つを踏まえるとあまり神経質になりすぎない方がよいとおもってます。
あまりに神経質になるのもストレスとなります。
実はストレスは気胸のリスクのひとつでもあります。
若い学生さんの試験前、試合前、課題の提出前、就活の面接前などで無理をしていたりしているタイミングで発症することも多いです。
私も医学部受験の時を思い出しますが、本当に人生の大事な時ですよね。。。
受験の前日に一睡もできず寝汗だけかいて惨敗した日もあります。
そんな状態のときに肺に穴が開くなんて泣きっ面に蜂ですよね。
少しでもそんな苦しみが減ればいいのになと考えてます。
さて、実際気胸を起こしてしまった場合、
約1ヶ月程度は特に再発のリスクが高いです。
どうにか再発しない方法はないのでしょうか?
はっきりとしたデータはないのですが、過去の報告から私は下記のことをご指導してます。
- 1.胸に圧のかかることをさける
- 2.無理をせずストレスをさける
1.胸に圧のかかることをさける
胸に圧がかかる(胸腔内圧の上昇)とふさがりかけていた肺の穴がまた再度空いてしまうからです。
具体的には体育は見学がいいでしょう。
バレーボールや野球など、グッと胸に力をいれたり息を止めてフルスイングしたりする行動は胸に圧がかかることが多いからです。
かるいジョギング程度なら問題ないとは思います。
また外からの圧迫も注意です。満員電車など無理した体勢や圧力も気胸の再発のリスクでしょう。
重いものをもつこともぐっと息をとめて胸の圧がかかるので注意です。
具体的には、居酒屋のバイトではビールの樽などの重いものを持つ仕事は控えましょうねと指導してます。
あとは気圧の急激な変化もリスクです。具体的にはスキューバダイビングや飛行機です。
飛行機でポテトチップスの袋がぱんぱんにふくらんでいるのをみたことがありますか。
肺も風船のふくろのような臓器なので飛行機にのって気圧がかわることで肺にもぱんぱんに圧がかかるのです。
(とはいえ上記のことを行っても再発しなかった方もいます。)
2.無理をせずストレスをさける
意識することで再発を予防する強いデータまではないのですが、気胸を発症した方にはがんばりすぎの方が多いのでお伝えしてます。
あるいはゲームやインターネットで夜更かししていることもよくないかなと思います。
逆にいうと、
食事はなにをたべた方がいいのですか?
などと質問されるかたもいますが、はっきりとしたデータもないので食事はお好きなものをたべたらよいかと思います。
いかがでしたでしょうか。
気胸、原因、気をつけることとして記事を書きました。
今後手術の内容や外来フォローの流れなども記事にして行こうと思います。
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Dr.あらた (@Dr_Arata_)
(あくまで初めに患者さんに説明する内容を主にしてますので具体的な数字や出典の論文などは 省いています。現役の先生方には物足りない内容かもしれません。 また個別の医療相談につきましては診察を行っていませんので具体的な指導は避けます。 要望の多い内容は記事にさせていただきます。)
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